鯉というと錦鯉をイメージする方も多いといえるでしょう。錦鯉は観賞魚として世界中で多くの人々に愛されています。錦鯉に代表される鯉はとても縁起がいい生きものであることを知っていますか。ここでは鯉が縁起がいいといわれる4つの理由と由来、鯉に期待できる4つの縁起がいい効果や鯉のぼりの3つの意味をスピリチュアルな世界に詳しい筆者が解説しましょう。

ライター/柚葉黎子(ゆずはれいこ)

鯉の2つの由来とは

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鯉は日本中の川の中・下流域や湖、池などの淡水に生息している魚。古代の地層から鯉の骨が発見されていることから日本に古くから生息していたとされています。古くから日本に生息していたとされる鯉の由来を紹介しましょう。

意味1 鯉にまつわる日本書紀の伝説

鯉は日本最初の歴史書といわれる「日本書紀」にも記載されています。日本武尊の父親である景行天皇が美濃に行ったときのこと。ある日景行天皇は美しい娘と出会いました。景行天皇は娘にプロポーズしましたが、娘は恥ずかしがって隠れてしまいました。景行天皇が池に美しい鯉を放流したところ娘が鯉を見るために出てきました。その後二人は情を通じるようになったとか。この伝説から魚が「恋・コヒ」と呼ばれるようになりその後「鯉」になったとか。このほか鯉の由来には諸説がありますが、ほとんどの説に恋が絡んでいるようですね。

意味2 どこにでもある川にいる魚だから

鯉は日本各地の川や湖、池に生息している魚。鯉という漢字は魚に里と書きますよね。里とは人々が住んでいる里に近い川にも住んでいる魚。そのためどこにでも住んでいる魚という意味で魚へんに里と書くようになったといわれています。

鯉が縁起がいい4つの理由

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中国や日本で縁起がいいといわれる鯉。あなたは鯉が縁起がいいといわれる理由を知っていますか?ここでは鯉は縁起がいいといわれる中国の伝説、神様の使い、薬用魚、高価な魚という4つの理由を解説しましょう。

理由1 鯉にまつわる中国の二つの伝説から

日本には中国から鯉にまつわる二つの伝説が伝わりました。ひとつは後漢書に記述されている伝説。登竜といわれるとても流れの速い川がありました。人も押し流されるような急流を鯉が何匹も昇っていきます。必死で昇る鯉ですが脱落する鯉もいますが、何とか上流へ到達した鯉がいたとか。上流まで登った鯉は竜となって天まで登っていったといわれています。この伝説から登竜門という言葉が生まれたそうですよ。

もうひとつの伝説は、何回も氾濫を起こす黄河にある人がダムをつくりました。その後黄河の氾濫は収まったとか。数年後、黄河に金色の鯉があらわれ黄河に入ると同時にその鯉は竜に変身したそうです。

ふたつの伝説の共通点はともに鯉は竜の化身であるということ。このことから鯉は縁起がいいといわれるようになったそうです。

理由2 鯉は神様の使いといわれていたから

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鯉は神様の使いともいわれているそうですよ。その昔利根川が氾濫した際、鯉と亀が須佐之男命(すさのおのみこと)の像を守るように川を流れてきたそうです。それを見た人々は、鯉と亀が神様を守ったと考え埼玉県の栗橋町八坂神社を建立しご本尊としてまつったといわれていますよ。神様の使いといわれる鯉なので縁起がいいといわれているそうです。

理由3 鯉は栄養豊富で薬用魚といわれていたから

鯉はビタミン類を豊富に含んだ魚ということを知っていますか。別名「薬用魚」とも呼ばれ、日本最古の医学書「医心方」にも鯉を治療に使う方法などが記録されています。栄養が豊富なためとくに産後の女性の体力回復などに効果的だったとか。栄養豊富な鯉は長生きで健康ということから縁起がいいといわれるようになりました。

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