「クリフォト」という言葉を聞いたことはあるのでしょうか?

セフィロト(生命の樹)はスピリチュアルの世界で時折耳にすることがありますが、「クリフォト(邪悪の樹)」という存在はあまり知られていないかもしれません。一体どんなものなのでしょうか?

今回はこの「クリフォト(邪悪の樹)」についてスピリチュアリストの筆者が解説していくことにします。

ライター/myuza

九州出身、神奈川在住の男性です。 20年以上、スピリチュアル分野に関心を持ち、多くのスピリチュアリストの方々と交流をして、精神世界探訪をしております。 つたない経験ですが、人生に悩まれている方々の参考になるような情報をご提供させていただきたいと思っています。

クリフォトとは?

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別名「邪悪の樹」とも呼ばれるクリフォトは、ユダヤ教の神秘主義思想であるカバラの中で「悪の勢力」や「虚無で不均衡なパワー」を表現した概念とされています。

邪悪の樹を意味したモデル

そもそも「クリフォト」とはヘブライ語で「皮」や「殻」を意味しているのですが、この世に存在する邪悪な思想・勢力・問題などを意味しています。

その概念のクリフォトを体系化したものにすると「邪悪の樹」というイメージで表現することができ、モデル図は邪悪な存在を象徴しているがのごとくに表されるのです。

生命の樹と邪悪の樹

ユダヤ教のカバラには、「セフィロト(生命の樹)」という概念が存在しています。セフィロトは旧約聖書の創世記に出てくるエデンの園に植えられた神聖な木であり、この木の実を食することで、神と等しい永遠の命を得ることができると言われてきました。

「セフィラ」という10個の光の球と22個の小径で形作られているのですが、「クリフォト(邪悪の樹)」はセフィロトと反対の邪悪な性質を持った樹であり、クリファーと呼ばれる10個の殻・皮から成り立っています。「邪悪の樹」はセフィロトの第10セフィラー(マルクト)の下方に伸びた形をしており、まさに生命の樹を逆さまにしたような構造なのです。

このことからクリフォトはセフィロトと1対をなす存在と言ってもいいでしょう。特に邪悪の樹のクリファーは、さまざまな悪魔に対応していることらから、セフィラの光の逆の立場を象徴しているのです。尚、クリフォトの外殻であるクリファーの階層は虚無を表す「i」で記されています。

クリフォトとは悪魔の象徴?

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「邪悪な樹」と定義付けされるクリフォトはまさに悪魔的な象徴。クリスチャンが忌み嫌う悪魔はクリフォトの木の上から下に向かっていくにつれて強大な力を帯びていくと考えられてきました。

TVアニメ作品のブラッククローバーでも、クリフォトが登場してくるのですが、ここでは最下層に位置している悪魔は「ルチフェロ」

「ルチフェロ」はあくまでフィクションでの悪魔ですが、悪魔の王である堕天使ルシファーをモチーフにしているのでしょう。実際のクリフォトでも最悪の悪魔が存在しています。

下位は悪の概念

前述の通りセフィロトは10個の光の球であるセフィラーがあり、それぞれの球に各天使が対応しているのですが、邪悪な樹のクリフォトの10のクリファー(外殻)には悪魔が存在。下の階層に向かうほどに深い虚無と悪の力を持つ悪魔は陣取っています。

セフィロトのセフィラーと対極をなす存在ということになるわけですね。

クリフォトの悪魔たち

では、クリフォトの悪魔たちとはどのような者たちなのでしょうか?

第10iの「ナヘマーのキムラヌート」から始り、9iの「リリスのアィーアツブス」・8iの「アドラメレクのケムダー」・7iの「バールのツァーカブ」・6iの「ベルフェゴールのカイツール」・5iの「アスモデウスのアクゼリュス」・4iの「アスタロトのアディシェス」・3i.「ルキフグスのシェリダー」・2iも「ベルゼブブのエーイーリー」・1iの「サタンのバチカル」と続いていくことになります。

クリフォトは人の闇を象徴している

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邪悪な樹のクリファーには各悪魔が位置付けられているのですが、これは人間の中に内在している闇を示していると言ってもいいかもしれません。

現代人は物質主義に浸り不安定で残酷なことにも無感動に陥っています。

生きる努力をするよりも怠惰な道を選ぼうとする傾向が多く見受けられるようになってきた現在では、人間が光の世界へ進化するよりも闇の世界に落ちて行く傾向が強いかもしれません。

そのような意味でクリフォトは人の闇を象徴していると言えるのではないでしょうか?

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