数年前、突然てんとう虫が飛んできて、筆者の左腕に止まったことがあります。それまでは、存在すら思い出すことのなかったてんとう虫を、「そういえば最近見かけなくなったな」と懐かしい思いで少しの間見つめていました。

その後、偶然にも嬉しい出来事を体験した筆者ですが、その当時はてんとう虫が幸運の象徴だとは知らずにいたのです。しかし、てんとう虫が腕に止まったことがなぜか頭から離れないので検索をしてみると、そこには幸運を知らせる数々のジンクスやエピソードが・・・

今回は世界中で幸運の前兆として知られるてんとう虫を、スピリチュアルの世界に招かれた筆者が解説していきます。

ライター/寺田朱希

静岡県在住、霊峰富士に見守られ穏やかに暮らす40才。 自身の死に直面したのちにスピリチュアルの世界に招かれ現在に至ります。 「見えないものを見るチカラ」あなたにもあると思いませんか?

てんとう虫の豆知識

小さな体でチョコチョコと歩く姿は、とても可愛らしく見ていて癒されるものです。

てんとう虫について、知っていると少しだけためになること、解説します。

てんとう虫の種類

日本国内では約180種類が確認されており、形を変えながら成長するてんとう虫。大型・小型の個体がありますが、そのほとんどは私たちの良く知る5mm以内の小型のもの。

食性は肉食性・菌食性・草食性の3種類。ナナホシテントウやそれより少し大きめのナミテントウが良く知られています。

活躍するてんとう虫

近年、消費者の健康志向により、無農薬で育てられた野菜などが店頭に並ぶのを見かけるようになりました。しかし、農薬を使用したものに比べると少々見劣りしてしまうのは否めません。

そこで害虫を食べる肉食性のてんとう虫は、農薬の代わりに害虫を駆除する生物農薬として、私たちの生活にも一役買っています。そしてこの生態は、古くはヨーロッパでも農薬のない時代の農作物を守る貴重な存在として、人々を助けてきた歴史が。

てんとう虫が人気なのは、スピリチュアル要素だけだはないようです。

てんとう虫にまつわる3つのエピソード

私たちが生まれるずっと前から、あの小さな体に人々は感謝し幸運を伝えるシンボルとして愛されてきました。

ここからは、てんとう虫と呼ばれる由来をはじめとする3つのエピソードを紹介していきます。

その1. 「てんとうむし」の呼び名の由来

image by iStockphoto

これは、止まっている葉や枝でこれ以上先に進めなくなると上へ飛び立つ習性を持つことからこの名前が付いたとされています。その姿が「おてんとうさまに向かって」飛んでいくようだとされるのが、てんとうむしという名前の由来。

てんとうむしを漢字で書くと天道虫となるのですが、この天道とは天が決める運、つまり自分ではどうにもできない運命を支配する神といった意味もあります。てんとう虫が神の使いと言われるのは、こうした思想も関係しているようです。

その2. 太陽神の使いと言われる由縁

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ご存じの通り、日本では太陽の事を「お天道様」と言いますよね。世界各地でも太陽は神として崇められ、「太陽神」として神格化し信仰されています。

伊勢、内宮の祭神としてあまりにも有名な天照大御神は、この太陽を神格化したもの。「一生に一度はお伊勢参り」と江戸から伊勢までの往復約1000kmの道のりを歩いたというのですから驚きです。

今でも人々が途絶えることなく参拝するのは、私たちが天照大御神の圧倒的なエネルギーを感じ取っている証でしょう。

そしてこの名を冠したてんとう虫。神の使い・幸運を知らせる使者として象徴されているのも納得ですね

その3. 海外では聖母マリアのお使い

英語圏では「ladybug」や「ladybeetle」と呼ばれるてんとう虫。英語での「Lady」は一般的に女性を指す言葉ですが、「Our Lady(我らが貴婦人)」は聖母マリアを意味し、イギリス味ではてんとう虫のことを「聖母マリアのお使い」と呼び親しまれています

こう呼ばれるようになったのは、まだ農薬などなかったお話し。害虫による深刻な農作物の被害に苦しんでいたイギリスで、ある農夫が聖母マリアに祈りを捧げたところ、大量のてんとう虫が押し寄せ害虫を食べつくしたという逸話が元になっています。

また、てんとう虫の赤が、宗教画に描かれる聖母マリアが身にまとうローブをイメージさせるからという説も。

天照大御神も女神として描かれることの多い神様ですから、これは偶然の一致でしょうか?

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