2.鎮魂のために建てられた神社

稲荷神社は本来五穀豊穣のために建てられた神社だったのですが、明治時代以降ご利益信仰的な要素に変容してきました。江戸時代に大量に建てられた神社だったために、キチンと祀られている神社と放置されていた神社があったのです。

そして、放置されたがゆえに飢饉や災害が起きると神の祟りとして恐れられてきた経緯があります。その祟り神を鎮魂するために建てられたのも稲荷神社と言っていいでしょう。

3.味方にして守護神へ

祟り神は多くの人々を恐怖の世界に引き込んでしまう祟りを起こす力を持った神。しかし、きちんと鎮魂して味方になってくれたなら、これほど非常に心強い守護神はないかもしれません。

このように稲荷神社を見ていると、人々が神社で祈ることによって祟り神に信仰が集まってくることが分かるのです。

筆者体験談:平将門の神社にお参りした時の気持ち

筆者が仕事の関係で大手町に行った時のこと。ここに将門の神社はあることは以前から知っていたのですが、この時初めて足を運ばせていただきました。

「こんなところに神社があるのか?」と思えるところに将門様が祀られており、大きな高層ビルの間にあった神社はとても厳かで静寂な空気が流れていたように感じたのです。

荒ぶる神として恐れられた将門は、今、この現代社会の中でこの地を守っているような感じが。日本三大怨霊の1人でありますが、心静かに祈らせてもらいました。

祟り神を篤く敬い守護神として手を合わせよう

ここまで祟り神についてご紹介したり考察してきました。今、世界は自然環境破壊が進み、地球が酷く汚染されていると懸念されています。

このような現在の状況を見ると、もしかして私たちの成長を育んでくれた地球も祟り神に変わっていくような気がしてなりません。

祟り神を篤く敬って守護神として崇めることは、もしかすると今の私たちに求められている姿勢と言ってもいいでしょうね。

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