皆さんは「両面宿儺(りょうめんすくな)」という人物をご存知でしょうか?アニメ・漫画でも登場してくるキャラクターのためにそれなりに認知度がある存在ですが、一体どのような人物なのか詳しくご存知ない方も少なくありません。
そこで今回の記事ではこの両面宿儺が何者なのかをスピリチュアリストの筆者が解説していくことにいたしましょう。

ライター/myuza

九州出身、神奈川在住の男性です。 20年以上、スピリチュアル分野に関心を持ち、多くのスピリチュアリストの方々と交流をして、精神世界探訪をしております。 つたない経験ですが、人生に悩まれている方々の参考になるような情報をご提供させていただきたいと思っています。

両面宿儺とは一体何者?

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宿儺のことを調べると色々な物語があることが見えてきます。時には呪いの怪物であったり、1人の人間としてヒーローとして敬われる歴史上の人物であったりと。

さまざまな伝説が残されているのですが、まず両面宿儺がどのような存在だったのかをご紹介していきましょう。

1.飛騨の豪族の両面宿儺

両面宿儺は、高山市丹生川町の伝承によると飛騨の豪族と言われています。日本書紀では宿儺には1つの胴体に2つの顔を持ち、4四すつの手と足をのある怪物として恐れられていたのです。時の政府であった大和朝廷に抵抗した存在として、難波根子武振熊(なにわのねこたけふるくま)に討たれていたことが記述されています。その一方で、飛騨地方において宿儺は神祭の司祭者であり農耕のリーダーとして中央集権の圧制から飛騨を守り抜いた英雄として崇められていたのです。

2.日本書紀に記載されている両面宿儺

両面宿儺は、前述の通り日本書紀にもその記述があるのですが、仁徳天皇の時代に飛騨に現れた鬼神。天皇に抗う賊として扱われていたのですが、飛騨から美濃にかけて旧飛騨街道沿いでは多くの伝承が残っており、日本書紀での記述とは異なる宿儺の姿が見られます。

3.岐阜県での伝承

岐阜県では「千光寺記」を紐解くと、高山市丹生川町下保の袈裟山千光寺でで記録が残っています。それは仁徳天皇の時代に宿儺という人物がおり、八賀郷日面出羽ヶ平の岩窟の中から現われて十八丈の身長・1つの頭と両面4本の肘両脚を持つ救世観音の化身だったとされているのです。その後は千光寺を開いたという伝承にまで繋がっていきます。

アニメにも登場する両面宿儺

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冒頭で両面宿儺がそれなりの知名度が高いとお話いたしましたが、その背景にはアニメ作品に登場するキャラクターだからです。では、作品の中での宿儺とはどのように描かれているのでしょうか?

1.アニメではどんな人物?

原作は、集英社が発刊している週刊少年ジャンプの連載作品「呪術廻戦」ですが、アニメ化されて多くのファンを魅了していった爆発的な人気を誇る作品。その中で最凶最悪な存在である呪いの王して登場しており、主人公・虎杖悠仁(いたどりゆうじ)の肉体をベースに現世に出現。普段は虎杖の意識により表層には出てこないのですが、意識が交代した時に黒く鋭い爪になり全身に紋様が浮かび上がると同時に両眼下に一対の眼が開眼するという設定になっています。

2.呪術廻戦で見る両面宿儺の性格

呪術廻戦に登場する両面宿儺は、殺戮と闘いを好む呪いの王という設定で、1000年以上前に存在した人間。残忍、且つ狡猾で尊大にして凶悪な性格。多くの呪術師が力を結集して戦っても決して負けることがなく死後は指だけが呪物として残り、現世に悪い影響を与え続けていたのです。しかし、その残虐性の中には、貪欲なまでの強さを求める価値観の1つの基準として持っており、強者に対しては敬意を払う武人的な側面も持ち合わせていました。

しかし、宿儺は傲慢で自己中心的な性格は変わらず、善悪の見境いなしに命を奪う危険な存在ということには変わりはありません。

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