永遠に一緒にいたいと願っても最愛の夫との別れから逃れることはできないもの。それが突然すぎるほど残された妻のショックは大きいといえるでしょう。ただ何時かは配偶者である夫の死を受け入れなくてはいけないもの。ここでは夫の死を受け入れるための4つの課題と7つの受け入れ方について心理学に興味のある筆者が解説しましょう。

ライター/柚葉黎子(ゆずはれいこ)

夫の死を受け入れるための4つの課題

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現代の日本では比較的女性の方が長生きといわれています。そのため夫との死別を経験する女性が多いとか。夫が病気や介護が必要になる前に夫婦で終活をする方も多くなりました。ただ夫の死を覚悟し心構えはしていた時でも夫の死はとても辛い状況といえるでしょう。ここでは夫に先立たれたとき、その死を受け入れるための4つの課題について考えてみましょう。

課題1 夫の死をしっかりと認識しもういないことを確認する

最初の課題は「夫の死を受け入れること」。じつはこの課題が最も難しい課題といえるでしょう。日本の風習で亡くなった後の通夜・葬儀から始まる一連の儀式が進行する間に気持ちの整理をつけることができるといわれています。しかし実際は、夫の死を受け入れることができず感情をうまくコントロールできないため涙が止まらないなど悲嘆に暮れてしまうことでしょう。そのため現実的には、なかなか夫の死を受け入れることは難しいかもしれませんね。

課題2 夫と死別した悲しみを経験すること

夫と死別したあとすべての儀式や手続きが終わった後、襲ってくるのが言いようもない悲しみ。あなたにもたらされる悲しみをしっかりと受け止め経験することが大切です。

どのような悲しみ方になるのかは個人によって違いがあるといえるでしょう。何も手がつけられない程憔悴する、体調が悪くなるなど見る人もつらく悲しくなるような人、反対に悲しみを忘れるために外へ出かける人など様々ですが、死別の悲しみを経験しているということは確かといえるでしょう。

課題3 夫のいない環境に慣れること

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3つ目の課題は、夫のいない生活環境に慣れること。子どもたちがいない夫婦や子どもたちが成長し夫婦だけの生活だった場合、毎日の生活が一変してしまうことがあります。今まで夫に頼っていたことは自分だけで工夫しながらやっていくしかありません。「こんな時夫がいてくれたらなあ」と思うかもしれませんが、夫のいない環境に慣れることが大切といえるでしょう。

課題4 亡くなった夫を忘れずに前向きに生きていくこと

最後の課題は、亡くなった夫のことは忘れることはできませんよね。夫との思い出を抱きながらしっかり前を向いて生きていくということ。亡くなった夫はもう戻ってくることはありません。その夫への最大の供養はあなたが夫のことを忘れないでいるということ。そして夫の死を乗り越え夫の分まで生きていこうと前向きな気持ちになるといわれています。

夫の死の7つの受け入れ方

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夫の死を受け入れることはとても辛いこと。夫の死を受け入れることで心の整理をつけ、一歩前に前進することができということが言われていますよね。ここでは、夫の死と向き合い夫の死を受け入れるために手助けとなるであろう7つの方法を紹介しましょう。

受け入れ方1 自分と同じ境遇の人の話を聞く・本を読む

夫が亡くなってしばらくは、通夜や葬儀、初七日、49日法要、死亡届などの煩雑な手続きに忙殺され、悲しむ暇もないほど大変といわれていますよね。そしてほとんどの物事が片付くといいようのない悲しみが襲ってくるといいます。

悲しみや喪失感が襲ってきたとき、今の自分の状況をしっかり把握するためにも自分自身を見直す時間を作りましょう。まずは同じ立場の人の本を読む、話を聞くことから始めるといいでしょう。きっとあなたが共感できる本や人に巡り合えますよ。

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