1.魔よけとしての象徴
1つは猫が古くから魔よけの神様として崇められてきたこと。特に天候をコントロールする力を持っていると信じられており、船乗りの間では魔よけの存在として船乗り猫として黒猫を船に乗せることがあったのです。一見すると黒猫は悪魔の使いのような印象がありますが、航海では嵐を退けて晴れを呼び起こす存在としてもてはやされました。このようなことから船乗りや漁師の家族たちも一家のあるじの無事を願って猫を飼うという習慣まであったほど。あるじが航海に出ている間は家族が家で猫を飼って無事を願っていたのです。
2.エジプトではバステトという神
エジプトでも猫は縁起が良い生き物として崇められていました。それはバステト神という神様が黒猫の姿をしていたためです。バステト神は太陽が神格化された神様で、蛇を監視する役目を持っていました。蛇は太陽が沈み夜になると活発に活動しますが、蛇が悪いことをしないようにバステト神が監視していました。エジプトでは毒蛇が多くて噛まれて命を落とす人も多かったため、そのような邪魔な存在から人間を守ってくれる神様としてバステト神が信仰されてきたのです。
3.ベトナムではネズミ退治の働き者
ベトナムでも日本と同じように猫はネズミ退治をしてくれる大切な生き物と扱われています。ネズミが原因でいろいろな被害を起こしていたのです。農作物が食い荒らされるだけでなく、病気が広がることもベトナムでは珍しいことではありません。そのため時の政府が国をあげてネズミ退治を目的として猫を飼うことを推奨しているほど。それほどベトナムではネズミに関する問題は深刻だったのです。
幸運をもたらす招き猫
image by iStockphoto
このように日本だけでなく海外でも縁起が良い動物として見られてきた猫ですが、私たちの身近なところでは、縁起が良いものとして招き猫がありますね。
1.招き猫を置くなら玄関!
縁起を担ぐためにお客様商売をしている飲食店などではよく招き猫が置かれています。風水的に見ると、特に入り口や玄関はすべての運気を呼び込む場所。そのため運気でも良い気だけでなく悪い気さえ入ってくるため招き猫を置くことで良い運気を呼び込むようになっていたのです。もし、あなたも玄関に招き猫を置くのであれば、玄関全体を見渡すことができる高いところに置くのがおすすめ。「千客万来」という言葉があるように招き猫は人の往来がある場所を好むので、玄関だけでなくリビングなど人が集まる場所に置いておくこともいいかもしれません。
2.右手と左手で意味が異なる招き猫
招き猫には右手が挙げているものと左手が挙げているものがあるのをご存知でしょうか?実は右手と左手では招き猫の意味が異なっているのです。右手を挙げている招き猫は金運を招くと言われています。片や左手を挙げている招き猫は人を招いてくれるとして、人とのご縁を導いてくれると言われているのです。中には両手を挙げているものもありますが、この場合は金運上昇・千客万来を招くというもの。それだけ招き猫が幸運の引き寄せてくれる置物として大切に扱われているのですね。