煩悩を消すことはできるのか?

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煩悩とは私たちを苦しめる自分の心。この煩悩を消すことができれば本当に幸せに暮らしていけるというもの。ではこの煩悩を消すことが本当にできるのでしょうか?ここでは煩悩の消し方について仏教の教えを参考にしながら考えていきましょう。

「煩悩具足」という考え方

煩悩はどのような人でも有しているもの。そして起きているときだけではなく寝ているときも煩悩はあるといわれています。この煩悩から解放されたいと願うのもまた人間ですよね。本当に煩悩が消えてしまったら幸せになるのでしょうか?煩悩がなくなったらどうなるのかを考えてみたとき、煩悩がなければ人間らしく生きられないのではないかということに気が付くはず。

仏教に「煩悩具足」という考え方があります。煩悩はわたしたちが持っているとされる欲望などのこと具足とはそのものという意味。煩悩具足とは、人間は煩悩そのものであるということ。煩悩を消す方法はないということです。ただ仏教には「煩悩即菩薩」という考え方があり、煩悩が大きければ大きいほど喜びもまた大きいとか。

仏教で煩悩を消すためにおこなうこと

煩悩を少しでも消したいと願うのも人間らしいですよね。仏教では煩悩をできるだけ消すために、行われることがあります。ひとつは大みそかの夜に鳴る除夜の鐘。除夜の鐘は108つならされますが、これは煩悩の数を鳴らすとされているようですよ。ひとつ鐘を鳴らすごとに煩悩が一つ消えるようにと念じているのです。

また、仏教でお葬式や法事などで必ず必要となる数珠。じつはこの数珠も煩悩が消えるようにという願いが込められており、108つの珠があるといわれています。数珠をひとつひとつ数えながら自分自身の煩悩を消していくのだとか。

天台宗・真言宗・禅宗といわれる密教では、金剛杵(こんごうしょ)と呼ばれる武器で煩悩を打ち破るとされおり、仏具としておかれています。

実践できる2つの心の整理の仕方

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仏教では煩悩は消すことができないとされていますよね。ただできるだけ煩悩に悩まされないようにしたいものです。そこで大切なのは自分の心と向き合い整理すること。ここでは自分の心を整理するためにすぐに実践できる2つの方法を紹介しましょう。

できない目標は立てないこと

あなたは「今年こそダイエットする」「彼氏を作る」など目標を立てることはありませんか?目標を立てたけれど実行しなかった、もしくはできなかったため自己嫌悪に陥ってしまうこともあるでしょう。自分を苦しめる心が芽生えてしまいます。そこで大切なのはまず自分の目標の優先順位を決めること。そして自分でもできる小さなハードルから始めることです。ひとつひとつクリアすることで自分をほめることができますよね。

また年末には今年を振り返って「嫌なこと」を考えてみましょう。自分が傷ついたことなどを考え、自分自身を見つめなおしてみましょう。

自分にとって苦痛となる場所へは行かないこと

あなたに煩悩を起こさせるような人や場所には近づかないようにしましょう。あなたと波長の合わない人と無理に付き合っていくことが煩悩を作り出します。もちろん職場など簡単に変えることができない場所もありますが、あなたが新しいステップへ進むチャンスとなるかもしれませんよ。

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