しかし私たちが普段何気なくしていることも、実は死後の世界の行き先を決める裁判では不利になるようなのです。アニメの題材としてコミカルに描かれたり、生きている間にも「この世の地獄」が存在したりと私たちが身近なものと捉えている地獄を、あなたの知らなかった地獄として死後の世界が気になる筆者が解説していきます。
ライター/寺田朱希
静岡県在住、霊峰富士に見守られ穏やかに暮らす40才。 自身の死に直面したのちにスピリチュアルの世界に招かれ現在に至ります。 「見えないものを見るチカラ」あなたにもあると思いませんか?
地獄とは何か
宗教的概念から生死を考えた時、複数ある死後の世界のなかでたどり着くひとつが地獄。難しい事抜きに「悪いことをすれば地獄に落ちる」と言われ続けてきましたよね。
ヒンドゥー教の聖典のひとつでは「ナラカ」と呼ばれ、このナラカを音写した「奈落迦」が「奈落」の語源。
仏教においては輪廻転生を繰り返す私たちが、生前の行いに準じて行き着く6つの世界(六道)の中での最下層。六道の最上階を「天界」と呼びます。天国と地獄という対比がしばしば行われますが天国とはキリスト教の考え方で、仏教での天国は「浄土(極楽もそのひとつに含まれる)」。
三途の川を渡って
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現生とあの世の境目にあるとされる三途の川。臨死体験をした多くの人が三途の川を目撃していることから、信ぴょう性は高いものと言えるでしょう。三途の川を渡ってしまったら死後の世界ですから、その後の目撃や体験談がないのも納得です。
三途の川は歩くのではなく舟で渡り、その賃料は六文。棺の中に印刷された六文銭を入れる風習が今も残ります。その六文銭を持たない者には、三途の川に配置された十王(地獄の裁判官10人)の配下である懸衣扇・奪衣婆という老夫婦に賃料の代わりに衣類をはぎ取られてしまうのだそう。
こんな行為は地獄行き
仏教には男女問わず、基本的に守らなければならない5つの戒めがあります。それを「五戒」と呼び、生前の行いを裁かれるときの基準になるのだとか。
これは・・・誰にでも地獄へ行く可能性がありますね・・・
1. 生き物を故意に殺してはならない
2. 他人の物を盗んではならない
3. 不道徳な性行為を行ってはならない
4. 嘘をついてはいけない
5. 酒類を飲んではならない
死後に行われる生前の裁き
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日本の仏教によれば、私たちすべての人間は死んだら三途の川を経て、閻魔大王をはじめとする裁判官に生前の悪行について裁きを受けるといいます。その裁きによって罪を償う場所を決定するのです。
審査は7日ごとに行われ、最終ジャッジが下されるまでに49日かかります。あの有名な閻魔大王が登場するのが35日目。大きな鏡の前に立たせ、生前の悪行が映し出されるのだとか。その時に嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれてしまうのだそう。「嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれるよ」と子供の頃に親に言われたことは間違いではなかったのですね。
待ち受ける八大地獄
地獄行きを命じられた時、どんなことが待ち受けているのでしょうか、罪の重さに応じて分かれる行き先別に解説していきます。
その1 等活地獄~殺生
故意に生き物を殺生し、その行いを悔い改めないとこの地獄へ落とされると言われ、生前に争いを好んだり、反乱を企てた者も含まれるそう。人間界の地下1000由旬(いっせんゆじゅん)にあり、地獄の中でもいちばん浅い位置に存在する。ちなみに1由旬は明確に何㎞という定義はなく、おおよそ11.3kmから14.5kmの間と解釈されることが多い模様。
この地獄に落ちた者同士は互いに憎しみを抱き、鉄の爪で殺し合いをすると言います。その他にも亡き者を苦しめる鬼らによって身体を切り裂かれいずれ死んでしまうが「生きよ生きよ」と囁く鬼の声とそれを運ぶ風によって生き返り、この苦しみを何度も繰り返すという責め苦を受けねばなりません。
この罪滅ぼしの任期は1兆6653億1250万年。