あなたは金縛りにあったことはありますか。寝ている間に突如として身動きができなくなる金縛り。大変な恐怖を覚えてしまうでしょう。現在では金縛りは科学的にその原因が解明されているといわれています。ただ、すべての金縛りが科学的に説明することができるのかは疑問といえるでしょう。ここでは金縛りの科学的4つの見解と4つのスピリチュアルな意味や5つの対処法をスピリチュアルな世界に詳しい筆者が解説しましょう。

ライター/柚葉黎子(ゆずはれいこ)

金縛りとは

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あなたは「金縛り」とはどのような状態のことと考えていますか。なかには霊的な要素の強い現象と考えている方もいるかもしれません。ここでは金縛りとはどのような状態のことを指すのかを解説しましょう。

「金縛り」は仏教用語のひとつ

「金縛り」という言葉の語源を知っていますか。言葉としての「金縛り」はじつは仏教用語。仏教の中で不動明王が使う羂索(けんさく)の力で引き起こされる体や煩悩の動きを封じ込めてしまうという密教のなかの「金縛法(きんぱく・かなしばりほう」という修法が語源とされています。日本語で金縛りという意味と同じものを持つ言葉として英語圏ではそのまま「KNASIBARI」と表記されているとか。

金縛りは寝ている間に起こる体を動かせない状態のこと

金縛りはぐっすりと眠っているという感覚があるにもかかわらず意識はあるが体を意図的に動かそうとしても少しも動かすことができない状態のこと。世界中で多くの人が経験しているといわれています。意識がはっきりしているのに体が動かないため古くから霊や神様の仕業とされてきました。世界各地にさまざまな呼び名があり、話が伝えられています。

金縛りの科学的4つの見解

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金縛りは睡眠中に起こる現象。突然寝ているときに体が動かなくなるためパニックになってしまうこともありますよね。金縛りは、科学的な研究がさまざまな方面から行われるようになりました。その結果、さまざまな言い伝えの中で恐ろしいものとイメージされてきた金縛りに科学的なメスが入れられ、その原因が究明されたといわれています。ここでは金縛りを科学的な見地から解説しましょう。

見解1 金縛りは睡眠障害のひとつ

睡眠は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」が交互に起こるというリズムで成り立っています。専門的にはレム睡眠は筋肉などの体は休んでいますが脳は起きている状態、ノンレム睡眠は脳が休んでいる状態といわれていますよね。

じつは金縛りは約30パーセントから40パーセントの人は経験するともいわれている睡眠時の状態のこと。そして金縛りという状態は、レム睡眠の時に起こると解明されています。金縛りは「睡眠麻痺」という睡眠障害のひとつ。レム睡眠の時は体中の筋肉の力が抜けてしまっている状態といえるでしょう。このときに突然脳が活発に動き出すために体の自由が利かないと感じてしまうことが原因だとか。また、金縛りが起こる前に「キーン」「ジーン」などの耳鳴りが起こることもありますよ。

見解2 金縛り中に起こると感じることの原因は夢

金縛りの状態では身動きがまったくとれないだけではなく、恐ろしい音や声が耳元で聞こえてしまう、体の一部になにか乗っているので息をすることが難しいなどの恐ろしい体験をした方も多いのではありませんか。じつはこれらの恐ろしいと感じる現象の原因は科学的に「夢」といわれています。

金縛りはもともと体の筋肉が意図したように動かない状況で起こる現象。そのため筋肉でできている部分は当然意図したように動かすことができませんよね。深呼吸して手足を動かすことはもちろんできません。また、瞼の筋肉も休んでいるため眼すら開けることもできないといえるでしょう。

レム睡眠中は夢を見ていることがほとんど。人の声が聞こえるように感じるのは金縛り中も夢を見ているから。また、レム睡眠の時は恐怖や恐れという感情の情報を処理する偏桃体(へんとうたい)という脳の部分が活発に動いているため怖い夢を見ることがあるということです。

見解3 金縛りになりやすい人がいる

30パーセントから40パーセントの人は生きている間に最低1度は金縛りを経験するとか。ただ金縛りになりやすい人がいるといわれています。金縛りに最もなりやすいのは性別に関係なく10代から20代の若者。また、血縁関係者に金縛りになりやすい人がいる場合も遺伝的に金縛りを経験してしまう人が多いともいわれていますよ。

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