輪廻転生を信じる仏教の世界では魂は繰り返し肉体を得てこの世に生まれてくると信じられています。この考え方の中に過去生というものがありますよね。ここでは過去生とは何かということを前世との違い、カルマの意味、過去生を知るための6つの方法をスピリチュアルな世界に詳しい筆者が解説しましょう。

ライター/柚葉黎子(ゆずはれいこ)

過去生と前世の違い

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過去生は過去世ともいわれることがあります。過去生とは、魂が繰り返し生まれ変わった人生によって積み重ねられた記憶。そのため過去生には個人差がとてもあり、いくつの人生が積み重なっているのかは個人によって大きな違いがあるといえるでしょう。また過去生にどのような人生を生きてきたかもそれぞれ異なっているといえますよね。

前世とは今現在生きているあなたのひとつ前に魂が経験した人生のこと。魂が何年後に生まれ変わったかの違いはありますが、過去生のようにいくつも人生が重なっているわけではありません。

過去生と前世とは、同じ魂が経験してきたレベルアップのための修業の歴史ではありますが、全く違う意味を持っているともいえるでしょう。

カルマとは

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過去生や輪廻転生という考え方は、キリスト教やイスラム教など世界の宗教の中にも明言されてはいませんが示唆するような表現があるといわれています。過去生という考え方は、世界中に何らかの形で信じられているといえますよね。そのなかでも最も過去生や輪廻転生に関する考え方が明確に表現されているのが古代インドのバラモン教などに影響を受けたヒンドゥー教や仏教でしょう。ヒンドゥー教や仏教では「カルマの法則」「因果応報」という考え方で表現されています。ここでは過去生に大きく関係があり過去生の考え方の原点であるといわれる「カルマ」の意味と「カルマの法則」を解説しましょう。

カルマの意味

カルマとはヒンドゥー教における輪廻転生の考え方の基礎となるものです。仏教では「業・行為」の意味。このカルマには、前世や過去生で行ってきたさまざまな行為がすべて含まれているそうですよ。カルマには悪い行いも良い行いも含まれています。また前世や過去生だけではなく現世でのあなたの行為や業もカルマといえるでしょう。

カルマの法則とは

ヒンドゥー教には「カルマの法則」という教えがあります。仏教用語の「因果応報」という言葉と同じ意味で過去生や前世でのカルマすなわち行為や業が現世に影響するという考え方ですね。このカルマといわれる行為や業は、良い行為のことも悪い行為の場合もあります。

過去生で良い行いをすればこの世では良いことがある、反対に過去生で悪い行いをすれば現世ではその報いがあるという考え方がカルマの法則の基本。ヒンドゥー教や仏教では、過去生が要因のカルマが現在のあなたの生き方に何らかの影響があるとしても現世でのあなたの生き方によってカルマが解消される可能性があるとされています。あなたが持ってうまれたカルマに目を背けることなく向き合うことがとても大切ということですね。

過去生を知るための6つの方法

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自分の過去生を知る方法があるとしたらあなたは過去生を知りたいですか?過去生を知るということはあなたの生き方へのひとつのヒントを与えてもらうことができるということ。ここではあなたの過去生を知るための6つの方法を紹介しましょう。

方法1 ヒプノセラピー・専門家による退行催眠

過去生を知る方法のひとつはヒプノセラピーといわれる退行催眠を受けるというもの。退行催眠とは、催眠状態になったあなたの潜在意識にアクセスして過去生と今世の記憶を呼び戻そうという方法。退行催眠はとてもリスクのある催眠術といわれており場合によっては目覚めないこともあるとか。危険性をともなうため退行催眠で過去生を知る場合は専門家に依頼することをおすすめします。

方法2 自分で過去生に問いかける

自分自身に問いかけることで過去生に出会えるかもしれません。人は脳に記憶としていろいろな経験や思いを記録していますよね。ただ脳に記録された記憶は肉体がこの世から消滅すると同時に消失してしまいます。脳と同じように魂にもまたいろいろな記録が残されており、魂の記録は肉体が滅びたとしても消滅することはありません

魂に刻まれた記憶によってソウルメイトと出会う、訪れたことのないところを懐かしく思うなどの経験をするといえるでしょう。このような場合は、自分で魂に記録された過去生に無意識にといかけていると考えてもいいのではないでしょうか。

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