ライター/柚葉黎子(ゆずはれいこ)
- 死別の苦しみからくる身体的・肉体的反応とは
- 反応1 精神的な反応
- 反応2 身体的な反応
- 反応3 日常生活への影響
- 死別の苦しみから回復するための4つのプロセス
- プロセス1 ショック期・大切な人に死が訪れたことを知ったとき
- プロセス2 喪失期・大切な人が存在しないことを実感する
- プロセス3 閉じこもり期・何も手につかないうつ状態に似た症状になることも
- プロセス4 回復期・大切な人の死を受け入れ前向きな気持ちを持ち始める
- 大切な人との死別の5つの向き合い方
- 向き合い方1 自分の感情を素直に表現する
- 向き合い方2 同じ気持ちを持っている人と悲しみを共有する
- 向き合い方3 自分の赤裸々な気持ちを文章にする
- 向き合い方4 カウンセラーなどの専門家に頼る
- 向き合い方5 自分自身を大切にする
- グリーフケアとは
- グリーフは悲嘆や悲しみ・喪失感のこと
- グリーフケア1・自分の気持ち吐き出すこと
- グリーフケア2・葬儀などの儀式を通して死を受け入れる
- グリーフケア3・遺品を整理する
- グリーフケア4・遺品整理に関する実体験
- グリーフケアを行うときに大切なこと
- 死別の苦しみからの回復は自分のペースで行うことが大切
この記事の目次
死別の苦しみからくる身体的・肉体的反応とは
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大切な人が亡くなったあとに襲ってくる悲しみには個人差があります。亡くなった人とのつながりの度合いによって変わってきますが、配偶者や親兄弟、子どもなどのあなたにとって身近な人との死別では大きな悲しみに襲われてしまうといえますよね。ここでは大切な人との死別によっておこるといわれる精神的、身体的な反応や日常生活への影響を解説しましょう。
反応1 精神的な反応
大切な人と死別したあと、襲ってくるのが喪失感やひとりになってしまったという孤独感、無気力などの精神的な反応といえます。とくに死別した相手の亡くなり方によっては、残された遺族に大きな精神的なダメージが残ってしまうこともあるでしょう。また、「もっと親孝行しておけばよかった」「あのときこうしておけば」などの後悔や罪悪感を抱いてしまうこともあるかもしれません。もう一度大切な人に会いたいという思慕の念から、さまざまな精神的な反応が現れるといえるでしょう。
反応2 身体的な反応
大切な人との死別では精神的な反応のほかに身体的にもさまざまな反応が現れます。代表的な症状は睡眠障害や食欲不振など。夜寝るときに亡くなった人のことを考えてしまい不眠症になることも。また、食事がのどを通らず食欲不振になったりします。また、言いようのない倦怠感や疲労感に襲われることも。
反応3 日常生活への影響
日常生活の中でもやる気が出ないなどで家事がおろそかになってしまうこともあります。日常生活も故人がいるときとは大きく変化してしまいそのことに戸惑うこともしばしば。時間が経過することで日常生活が変化したことに慣れてきますが、数年後また同じ思いになることも。私たちの気持ちは悲しみと回復の間を揺れ動きながら心の落ち着きを取り戻そうとしているといえるでしょう。
死別の苦しみから回復するための4つのプロセス
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死別の苦しみから回復するプロセスには人によってさまざま。ただ一般的には大きく分けて4つのプロセスがあるといわれています。さまざまな過程を経ることで心の落ち着きを取り戻していくといわれていますよ。ここでは一般的な死別の苦しみから回復するための4つのプロセスを解説しましょう。
プロセス1 ショック期・大切な人に死が訪れたことを知ったとき
大切な人に死が訪れたとき、残された人は大きなショックを受けるといわれています。長い闘病を経験しいつかは訪れると覚悟を決めていても大切な人がいなくなったという喪失感はとても苦しいもの。また、事故や心筋梗塞・くも膜下出血などの突然の出来事によって大切な人を失ってしまうときもあまりにも突然のことでパニック状態になるといえるでしょう。
何をしていいのかわからずただ茫然としてしまう人、葬儀の手配やこれからのことを考えながら煩雑に動き回ってしまう人。悲しみの表現の仕方には個人差がありますが、大切な人を失ったというショックは隠しきれないものがあるといえるでしょう。
プロセス2 喪失期・大切な人が存在しないことを実感する
大切な人が亡くなったという事実を受け止めることはとても難しいこと。ただ葬儀や遺品整理をしていく中で大切な人とのお別れを実感していくことに。大切な人がいなくなったという現実を目の当たりにすることで言いようのない喪失感を味わうといわれています。悲しみと喪失感が日増しに大きくなっていくことも。喪失感を感じている時期は、あなたの寂しさや悲しみを心の中に閉じ込めてしまわないようにしましょう。悲しければ思いっきり泣く、誰かに話したければしっかりと聞いてもらうことが大切。