人生の中で人は少なからずメンタル的に大きなダメージを受けてしまうことがあるもの。たいていの場合自然治癒力が働き時間とともにメンタルダメージも回復していくものですが、ときとしてメンタルダウンしてしまうことがあります。うつ病もメンタルダウンしたときにみられる病気のひとつ。ここではうつ病のこと、うつ病を克服して幸せになる8つの方法や幸せを感じるための3つの要因と3つの対処法をメンタルダウンの経験した筆者が解説しましょう。

ライター/柚葉黎子(ゆずはれいこ)

うつ病とは

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あなたはうつ病という言葉からどのようなイメージを持っていますか。じつはうつ病に苦しんでいる患者は日本に100万人ほどいるという調査結果があります。この数字は実際に病院を受診した患者数なので、隠れた患者を合わせるとかなりの数になるといえるでしょう。ここでは患者数が増加しているといわれるうつ病について解説しましょう。

気分の波と病気との違い

私たちは生きていく中でつねに同じ気分を維持しているわけではありません。人間関係や仕事上の悩み、愛する人との別れなどさまざまな出来事に直面するとき、私たちは気分の波を感じます。意欲がわいてくるときもあれば気分が沈んでしまい何もしたく無いこともありますよね。ただ気分の波の場合は、気分が沈んでしまった原因を解消する、気分転換する、時間が経つことで落ち着くなど徐々に解消していきます。

うつ病の場合は気分が落ち込んでしまった直接的な原因が見つからないことが多く、たとえ原因といえる出来事が特定され解消されたとしても気分の落ち込みは解消されることがない場合がほとんど。仕事や学校に行くことができなくなり日常生活にも支障が出るようになります。

うつ病は脳のエネルギー不足で起こる病気

うつ病になってしまう原因は、まだはっきりと解明されているわけではありません。ただ、長年の研究の結果、脳のエネルギーが不足しているためにうつ病になるのではないかといわれています。脳はとくに複雑で解明されていないことが多いといわれる器官。脳のエネルギーが不足しているため脳全体の機能がシステムダウンした状態がうつ病といわれています。とくに神経伝達の役目を持つセロトニン、オキシトシン、ドーパミンのバランスの乱れが大きな要因といわれていますよ。

人間には自然治癒力が備わっていますが、脳がエネルギー不足に陥ったため十分なエネルギーの補給ができず気分が落ち込んだまま解消することが難しくなってしまった状態といえるでしょう。

うつ病の症状には個人差がある

うつ病になる要因にはさまざまあるということと同じようにうつ病の症状は個人によって違いがあります。一般的には気分が落ち込んで何もやる気が起きないような状態を単一性、うつ状態と躁状態を繰り返す場合は双極性障害と呼び区別しているとか。また、重症度にも違いがあり、うつ状態になる初期段階の軽症では、自分には何らかの自覚がありますがほかの人はその変化に気が付きにくいといわれています。

うつ病になりやすい性格やきっかけがある

うつ病になりやすい性格やきっかけがあるといわれています。一般的にうつ病になりやすい性格は、生真面目、なんでも完ぺきにこなしたい、自分自身に厳しいなど比較的まじめに物事に取り組むことが多いそうですよ。また、うつ状態になるきっかけも様々。多くの場合は身近な人の死や別れ、仕事や学業での大きな失敗や挫折、失恋や離婚など恋愛関係の破綻などといわれていますが、じつは結婚や出産、仕事上の昇進など本来なら明るくなるはずのことでもうつになることもあるとか。うつになるきっかけの大きな要因のひとつは「環境の変化」といえるでしょう。

あなたが幸せと感じる3つの要因

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うつ病になる要因のひとつは脳のエネルギー不足。そのなかでも人が幸せを感じるために必要なセロトニン・オキシトシン・ドーパミンの3つの物質の不足が大きく関係しているといわれています。ここではこの3つの幸せを感じる物質について解説しましょう。

要因1 心と体が健康なときに出るセロトニン

セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれている物質。セロトニンが正常に分泌されることで人は幸せを感じることができるといわれています。じつに人が幸せを感じる幸せホルモンの90パーセントはセロトニンとか。

セロトニンはどのようなときに分泌されているのでしょうか?あなたは朝起きたときに朝日を見て「気持ちいい!すがすがしい。」と感じたことはありませんか。自然の中を散策しているときリラックスできる・癒されると感じませんか。あなたが気持ちいい・癒されると感じるときに分泌されているのがセロトニンなのです。また「体調がいいなあ」と感じるときにも分泌されていますよ。セロトニンはまさに心身の健康に不可欠な物質といえるでしょう。

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