つぶらな瞳とフワフワの被毛に包まれた羊から優しさを感じる人も多いことでしょう。羊は十二支や星座占いにも登場するほど人間に身近な動物といえるかもしれませんね。人とのかかわりが強いといえる羊の6つのスピリチュアルな意味と生態、歴史について動物をこよなく愛する筆者が詳しく解説しましょう。

ライター/柚葉黎子(ゆずはれいこ)

羊の生態

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羊は古くから人と一緒に生活している動物。群れで生活をすることで身を守っているといえます。羊は先頭の羊についていくという習性があるとか。そのため先頭の羊が道を間違えても後に続く羊たちはそのままついていくそうですよ。羊は同じ種類で群れる習性があり、異なった種類が混在する群れでは種類ごとに小さなグループに分かれる傾向にあるといわれています。

食性は草だけではなく樹木の皮や花などを食べ、視野が270度から320度あるので後ろは顔を動かさずに見ることができるそうですよ。また明るいところへ向かう傾向にあるそうです。子どもは約150日の妊娠期間を経て通常1頭出産。子羊は生まれると同時に親と同じ群れで生活するということです。

羊は従順でおとなしいというイメージがありますが、じつは繁殖期のオスはメスをめぐって戦い、子どもを連れたメスは自分の子を守るために時として攻撃的になることも。

羊の家畜化はとても古い

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人が最初に家畜化した動物は犬。その次に家畜化された動物がヒツジ・豚・ヤギで、馬や牛よりも早かったといわれています。ここではアジア原産といわれる羊の原種と羊が家畜化された歴史を詳しく解説しましょう。

アジア原産の羊が祖先

じつは羊の祖先ははっきりわかっていないということです。ただ羊は中央アジアのアルガリ、現在の中近東にいるアジアムフロン、インドのウリアル、地中海のヨーロッパムフロンの4種の羊が交雑したといわれていますよ。そのなかでも原種と考えられているのがアジアムフロン。現代の遺伝学においてもどの種類が原種であるかは特定できていないそうですよ。

羊は人が家畜化した最も古い動物のひとつ

羊は当初、肉などを目的とした少し大きめの狩猟の獲物でした。その後紀元前7000年から6000年頃の古代メソポタミアではすでに家畜化が始まっていたといわれています。そのため羊は、犬の次に人が家畜化した動物のひとつということですよ。家畜化された目的は、現代のように羊毛ではなく食肉やミルクなど。しかも家畜化が始まったころの羊の被毛はモフモフではなかったそうですよ。その後の品種改良によってウールタイプの羊が飼育されるようになったとか。現在では食肉用と羊毛用の羊がその用途に応じて飼育されているといえるでしょう。

羊のスピリチュアルな6つの意味

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羊は愛らしい瞳とフワフワした被毛を持ち、ぬいぐるみなどのグッズがとても人気がある動物といえるでしょう。いつも優しい雰囲気を醸し出してくれる羊にはスピリチュアルな意味があるといわれています。ここでは羊が持つスピリチュアルな6つの意味を解説しましょう。

意味1 羊は神様の使いといわれている

羊は神様の使いといわれていることを知っていますか。日本でもご本尊の使いとして羊の像が境内に置かれている神社が存在しています。また狛犬の代わりに狛羊が神社に訪れた人々を出迎えてくれる神社もあるとか。

また中国では鎮魂の意味を込めて羊の像を墓の近くに建てることもあるといわれています。キリスト教においてはイエス・キリストの説法の中のたとえの中に羊の話が登場していますよ。またイスラム教では犠牲祭の時の神様への捧げものとなっています。イスラム教徒にとっても羊はとても大切な家畜といえるでしょう。

意味2 羊は「創造力」を意味する・耐えながらも自らの創造を実現させる

羊は「創造力」を意味するといわれています。羊は自分の理想を実現するために集中して黙々と努力することをいとわないそうですよ。そのためすぐに実現できるような創造ではなく、ゆっくりと時間をかけて作り出していくものが得意。羊は時間をかける、耐え忍ぶということを楽しむことができるといわれていますよ。自分自身を守りながら自分の目標に向かって地道に努力することができるといえるでしょう。

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