「悪霊」という言葉を聞いたときあなたはいい知れないほどの恐怖を覚えてしまいますよね。私たちの概念では悪霊は人間に様々なあしき現象をもたらす霊といえるでしょう。ここでは悪霊とは何か、宗教による違いや悪霊の5つの種類と4つの対処法をスピリチュアルな世界に詳しい筆者が解説しましょう。

ライター/柚葉黎子(ゆずはれいこ)

悪霊とは何か

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「悪霊」は古くから様々な形で世界中の人々に恐れられていました。悪霊の意味は、それぞれの宗教によって異なり、地域によっても違うといわれています。神話や小説などに登場してくる悪霊は、人間に様々な災難や災いをもたらす科学的には証明できない霊的な存在といえるでしょう。

通常悪霊は、呪いや祟りという手法を用いて人間に悪さをする存在といわれていますよね。宗教によっては神様に対峙する存在である悪魔もまた悪霊とする考え方もあるとか。

宗教によって違う悪霊の考え方

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悪霊の意味は、おおむね人間に病気や災難などを起こし災いをもたらす霊的な存在とされていますが、宗教によって少し意味が違っています。ここでは多くの信者がいるとされるキリスト教と仏教における悪霊の考え方を紹介しましょう。

キリスト教における悪霊とは

一神教であるキリスト教では、神であるイエス・キリストに対峙する悪の存在として悪魔や悪霊をとらえています。悪霊は悪魔の手下として存在し、人々に憑依したりすることで人間に罪を犯させる、憑依した人間にいろいろな不幸をもたらす、さらに悪魔の手下とすることもあるそうですよ。キリスト教では憑依するのは悪魔や悪霊の悪い存在だけともいわれています。キリスト教では悪霊は悪そのものであり、違う宗教を信じる者はすべて悪という考え方が基本となっている宗派もあるそうですよ。

仏教における悪霊とは

仏教でも悪霊という考え方は存在します。確かに菅原道真の怨霊伝説にみられるような祟りや呪いをもたらすといわれる悪霊も存在していますが、仏教では必ずしも悪霊が恨みや怨念を持っているとは言えないと考えているとのこと。仏教では悪霊を退治するのではなく読経などの力によって悪霊が成仏できるようにするという融和的な方法で悪霊と対峙していることが特徴。悪霊は退治するのではなく悪霊の怒りや怨念を鎮めることで成仏させることが仏教の考え方といえるでしょう。

悪霊の5つの種類

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悪霊と一言で表現する霊的存在にも大まかに分類することで5つの種類に分けられるといえます。たださまざまな霊たちははっきりとした区別ができないことも事実。悪霊といわれる霊たちを見分ける参考とすることができる悪霊の種類について解説しましょう。

種類1 浮遊霊・自分の死を理解していないさまよう霊

あなたは浮遊霊という霊が存在していることをよく耳にしませんか。浮遊霊はあなたのすぐ近くに存在するともいえる悪霊のひとつ。多くの場合突然死や自殺など多くの未練をこの世に残している霊たちで、自分の死を受け入れることができずにさまよっているといえるでしょう。浮遊霊はいつも人にとりついて悪さをする霊ばかりではありませんが、ときに生きている人に悪さをしたり災いをもたらしたりすることも。

種類2 地縛霊・一定の土地に何らかの理由で縛られている霊

地縛霊とはその言葉の通り何らかの理由でその地に縛り付けられている霊のこと。多くの場合殺人の被害者や大きな戦いがあった場所などいわくつきの土地が多いようですね。浮遊霊との大きな違いはその恨みや怨念が強く、成仏できるまでその土地から離れることができないということ。地縛霊は恨みを抱いた相手にとりつくこともありますが、全くかかわりのない人にもとりつくこともあるとか。地縛霊が潜んでいるといわれるような場所には近づかない方がいいでしょう。

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