5.酒を飲んでしまう

酒を飲んでしまうが地獄に堕ちるということであれば、多くの人が対象になってしまいます。しかし、ここでは仏僧の飲酒のことを指しているのです。但し、ここで言っていることは私たちが単純にお酒を飲むことが悪いということを言っているのではなく、人間本来の役目を忘れて悪い行いをすることを戒めていると言ってもいいでしょう。

仏僧の務めは仏に祈り、自己の世界観を高めていくこと。そのためには飲酒で自分を見失うことを諫めていると理解してください。

八熱地獄を知ると真面目に生きたくなる

image by iStockphoto

輪廻転生・六道のことも含めてお話してきましたが、八熱地獄の恐ろしさを知ると、日頃の生活でも真面目に生きたくなってきます。それ程八熱地獄が恐ろしいということが分かるのです。

1.聞くだけでゾッとする八熱地獄

八熱地獄は、上から順に等活地獄・黒縄地獄・衆合地獄・叫喚地獄・大叫喚地獄・灼熱地獄・大焦熱地獄・阿鼻地獄となります。各地獄に行くのは、現世での悪行の罪の重さや内容によって行き先が決まっていくのです。各々の地獄の世界でのそれそれの地獄の中がテーマパークのごとくエリアが分かれており、そのエリア毎で恐ろしい光景と苦しみが待ち構えています。その苦しさは頭では想像できない程のものですが、知れば知るほどゾッとしてくる世界。

地獄界の中で最も浅いとされる等活地獄でさえ、ここに堕ちると死者同士で鉄の爪で相手を引き裂き骨になるまで戦わさせられると言われます。これだけでも悲痛な感じがしてきますが、最下層の阿鼻地獄ではどうなのでしょうか?

2.落ち続けて2000年もかかる阿鼻地獄

真っ逆さまに落ち続けて2000年でやっと辿り着く阿鼻地獄は最も深いエリアで罪の重い者が落ちる場所。ここでは巨大な業火の城の中で刀林・銅犬・8本角牛に取り囲まれて身体を打ち砕かれるだけでなく、巨大な鳥に捕まり石の山に落とされる・炎の歯を持つ銅犬に噛み殺されるなどの刑罰が何度も何度も繰り返されていくのです。

それ程に苦しい責め苦を味わうことになる阿鼻地獄。このように言葉では表現できない程の地獄でしょう。

筆者の地獄観:死んでもなお苦しみから抜け出せない

image by iStockphoto

阿鼻地獄の恐ろしさ・苦しさを知ると日頃からの生活のあり方をいかに意識しなくてはならないかが理解できると思います。死んでも苦しみから抜け出すことができない。このことを知ると、私たちが今何を以て生きているのかを見つめ直す必要があるのではないてしょうか?

阿鼻地獄の恐ろしさを知って人らしい生活をしよう

ここまで阿鼻地獄について解説してきました。本当に恐ろしい世界です。私たちが地獄のことを意識して生活する機会はほとんどありませんが、死後にこのような世界が待っているとしたなら、私たちは全てのものに感謝して慈しみを持って生活することが大切なのだと思います。

1 2 3