2.式神と陰陽師の関係

当時の鬼は人間から見れば、まさに敵として扱われてきた存在。人に害をもたらす悪の象徴であったのですが、それは疫病・自然災害など人を苦しめ不幸な道に引き込んでしまうさまざまな現象を「鬼」として忌み嫌っていたのかもしれません。

陰陽師はその鬼を使役することができるために、陰陽師自身も鬼の一種と受け止めている人たちもいたことでしょう。そのために安倍晴明も見る人によっては人を害する存在として扱ってみたり、逆に時代の寵児として見られていたと言うこともできるのです。

筆者の感想:両面宿儺は地元に親しまれた存在

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筆者は「両面宿儺」の名を聞いたことがあっても、この記事を書くまでは詳しいことはあまり知りませんでした。しかし、彼がどのような人物であったのかを調べていくうちに1つのことに気付いたような気がしています。

宿儺は地元に親しまれた存在でありながら朝廷にとっては逆賊という存在。このようなことは宿儺だけでなく、東北の阿弖流為(アテルイ)も同じなのです。中央集権国家にとって阿弖流為が逆賊であっても、東北の蝦夷(えみし)からするとヒーロー。いつの時代にあっても見る立場によって、鬼なのか英雄なのか全く解釈が異なってくるのです。これもまた人の持つ欲望の結果なのかもしれません。

両面宿儺のことを知って岐阜を尋ねてみよう

ここまで両面宿儺がどのような者なのかを解説してきました。日本書紀では天皇に逆らう賊でありながら飛騨地方では英雄。どちらが本当の両面宿儺なのか?それはあなた自身が岐阜を尋ねてみて自分の目でしっかりと見て判断するといいでしょう。ものには色々な見方によって解釈が異なるもの。宿儺の存在もそのようなことを教えてくれるのだと思うのです。

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