友人や家族などあなたの身近な人が自殺してしまったときどのように向き合うといいのでしょうか。自殺してしまった人を思い悩み悲嘆にさいなまれてしまうことでしょう。自死は病気や事故などが原因の死別とは全く違う別れ方ともいえますよね。ここでは身近な人が自殺してしまったときの心と体のそれぞれに現れる4つの症状と4つの向き合い方を心理学に興味がある筆者が解説しましょう。

ライター/柚葉黎子(ゆずはれいこ)

身近な人が自殺したときに現れる4つの精神的症状

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身近な人が自殺してしまったという事実。それはとても重く心に突き刺さってきます。その重みに耐えかねてアルコールや薬に逃げてしまう人もいるとか。ここでは身近な人が自殺してしまったことで現れる4つの精神的な変化を解説しましょう。

症状1 身近な人の死を受け入れられない

身近な人が自殺してしまったという事実は遺族が精神的に受け入れることがとても難しいことです。多くの場合理性ではわかっていても心がその事実を拒否するといえるでしょう。

いまにも「ただいま」といって帰ってくるような気がする、声をかけてくれるといった死を現実として心が受け止めることができない状態が続きます。

症状2 「なぜ?」と自殺の理由を考え自分を責めてしまう 

自殺した人は自分が自殺する理由を「遺書」という形で残していることが多いですよね。ただ遺族としては本人の気持ちが記された遺書を読んでも亡くなった理由をしっかり理解することが難しいようです。

「もう少し自分が話しを聞いてあげるとよかった」「自分がもっと早く悩みや困ったことがあることに気が付いてあげるとよかった」などと罪悪感から自分自身を責めてしまうことがあるでしょう。自ら命を絶ったの真実の理由は本人しか分からないこと。ただ残されたものにとっては理解することが難しいことかもしれませんね。

症状3 精神状態が不安定になる

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身近な人が自殺したことがあまりにも辛く、あなた自身の感情のコントロールが難しくなってしまうこともあるでしょう。急に怒り出す、すぐに泣いてしまうなど精神状態がとても不安定になってしまうことがあります。辛いときは自分の感情を素直に出して泣くことも大切ですね。

症状4 無気力になり何もする気力が起きない

心がつらい状態のままなにもできなくなってしまうこともあります。無気力になりすべての物事が「無」に感じられてしまうかもしれません。周囲に全く関心がなくなり、集中力や決断力が乏しくなってきますうつ病になる危険性もあるので注意しましょう。

身近な人が自殺したときに起こる4つの身体的症状

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精神的に大きなダメージを受けることで身体的にもいろいろな症状があらわれてくることもありますよね。ここでは身近な人を自殺という形で失くした人に見られる身体的な4つの症状を解説しましょう。

症状1 家の中に引きこもり人と会いたくなくなる

家の中に閉じこもり、ほかの人と会うことがなくなってきます。どこに出掛けるでもなく家の中で何をするのでもなくただじっと引きこもってしまい、家族や子どもにすら会うことをためらうようになってしまうことも。外出することがほとんどなくなってしまうといえるでしょう。

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