6.マツ(松)

厳しい冬の寒さでも、枝や葉に雪が積もっても、緑の葉が一年中青々として清々しいマツ。常緑樹の代表で「永遠の命」の象徴とされています。さらにマツの中には樹齢数千年というものもあり、不老長寿と結びつき縁起が良いとされているのです。

マツには雄花と雌花があり 4月~5月頃に開花して、雌花には松ぼっくりがつきます。お正月に門松を立てるのは、年神を家に迎えるための依り代という意味合いがあり「松は千歳を契り、竹は万代を契る」と言われ、松と竹で神の依り代の永遠を願うとされているのです。

7.タケ(竹)

竹林のイメージが強いタケ。庭木には「大名竹」「黒竹」「布袋竹」などの比較的背が低い品種の竹が取り入れやすいそう。

タケは約60年~120年に一度開花して一斉に枯れ、後に実を付けるそうです。真っ直ぐに伸びる清浄な姿やそのしなやかさ、春に地面を割ってすくすく伸びるといった生命力などから、古来より神聖なものとして、神事や縁起物にと利用されてきました。また松と同様、依り代として正月の門松に立てられていますね。

8.モモ(桃)

一本の木から沢山の実を付けることから「百(モモ)」と呼ばれ、モモは中国では「仙木」とも呼ばれています。邪気を払う呪力があると考えられており、モモの枝で作った桃弓や桃杖が祭祀にも使われていました。

日本でも古事記の中に、モモの実をぶつけて邪気を払うという記載がありますね。3月~4月頃にピンク色の花を咲かせ、7月~8月頃に熟す実は、仙果と呼ばれ、仙人が食べる大変縁起の良い実として愛されてきました。

また花を飾る風習を通して、モモの厄災を祓う力を取り入れ、女の子の成長を願うのが「桃の節句」の由来なのです。

9.キンカン(金柑)

image by iStockphoto

果実が金色の柑橘類であるキンカン(金柑)。金色(黄色)の実が豊かさや幸運を招くとしてよく植えられています。また、お正月にはキンカンの鉢植えなども縁起物としてよく利用されているようです。

中国で古くから幸運、大成成就、子孫繁栄を約束する縁起の良い樹木とされてきました。黄色の実がなる樹木は西側に植えると良いようです。5月頃、7月~8月頃、10月頃に白色の花が繰り返して咲き、実は11月下旬頃から果実が熟してきます。

10.ユズリハ(譲葉)

一斉に葉の入れ替えが行われることから、この名が付いたと考えられるユズリハ。ユズリハの葉は、新しい葉が出てから古い葉が全て落葉します。

新しい葉に譲る様子が「代々の家督継承」を思わせるとして縁起の良い樹木とされているのです。末永く途絶えることなく家系が続きますように、との願いに結びついているのですね。

また葉の軸が赤く、葉の裏側が白っぽいことから、紅白にちなんで縁起が良いとされ、正月飾りとしても使われるようです。5月~6月頃に花を咲かせ、その後に実が生り11月~12月頃に実が熟します。

11.イチョウ(銀杏)

紅葉の季節に黄金色の彩を添えるイチョウ。毎年4月頃に花を咲かせ、10月末~11月頃に熟す実は「ギンナン」として知られていますね。

イチョウは生きた化石とも呼ばれるとても長寿な樹木で、樹齢1000年以上の木もあるといわれています。イチョウは室町時代にはすでに 日本でも栽培されており、木自体が大変燃えにくいため、古くから建物を火災から守る樹木として神社仏閣に植えられている、縁起の良い樹木です。但しイチョウは巨木になる為、庭に植えるには剪定や管理が必要となります。

次のページを読む
1 2 3