3.先祖の恩と因縁
私たちの先祖は調べられるだけでもすごく沢山の人が居ます。戸籍制度が出来たのは明治時代なので、一番古い戸籍で明治19年からですが先祖はそれ以前から存在しているので何十億人以上になるのです。
先祖を祀ると言っても全ての先祖が素晴らしい人間だったわけではありません。中には人の物を盗んだり騙したり、人を殺してしまった人もいます。今ではもうありませんが昔は戦や戦争を経験している祖先が多いので、犯罪にはならなくても後悔しながら亡くなった方も多くいるでしょう。
ですが、その先祖が一人でも欠ければ今の自分は存在していませんでした。素晴らしい人間ばかりでありませんが、自分が人間に生まれたことを感謝すると共に、先祖供養をすることでその恩に報いることが出来るのです。
また因縁については「今まで恨まれていない先祖ばかりの人」の方が稀です。因縁で人生が左右されてしまうなら、今の世の中は大変なことになっていますよね。自分の悪い状況を先祖のせいにすれば気が楽なのかもしれませんが、状況は変わりません。悪い状況は、自分が招いたことで自分が変わるタイミングが来ただけなのかもしれないですね。
先祖が喜ぶ先祖供養とは
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「先祖供養」は先祖の霊に感謝の気持ちを伝え魂を鎮め、冥福を祈る仏教の儀式になります。供物や読経を捧げることで感謝し、功徳(神仏のめぐみ・良い行いの報い)を積むことが主な目的です。私たちが功徳を積むことで神仏から良い報いを得ると同時に亡くなった先祖に功徳を回すことも出来ます。
供養の仕方としては、法要をしたりお墓参りをすることで、特別なことは必要ありません。また仏壇には宗派や地域に違いはありますが、お花や線香・ろうそくなどのを供えましょう。
先祖供養で得られる恩恵4選
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先祖供養は亡くなった人の為だけではありません。生きている私たちも先祖供養をすることでその恩恵を得ることが出来るのです。先祖の為に祈ることでどんな恩恵を受けるのか、解説していきます。
その1.徳を積める
【徳を積む】とは見返りを求めず自らの意志でよい行いを積み重ねるということです。これは仏教の教えの「因果応報」が由来となっています。善い行いをすれば善いことが、悪い行いをすれば悪いことが自分に返ってくるということです。手を合わせお経を唱えることは故人が安らかに眠ることやあの世に正しく導くためと言われています。
大切なことは故人を想い、安らかに眠りに付けるように何が出来るかを考え行動することです。
その2.今ある幸せに気づくことが出来る
先祖供養を行うことで「今自分にある幸せ」に気付くことが出来るようになります。それは、沢山の先祖のおかげで自分が生まれることが出来たこと・仏様が見守ってくれていること・今現在の自分の生活を支えてくれているのは、沢山の人や物があってこそだと気付くことが出来るのです。
もちろん全員が今の生活に満足できているわけではないでしょうが、小さな幸せを見つけることで気持ちや行動が変化していくもの。不平不満を持つのではなく今ある幸せに気付けるかどうかは今後の自分に影響します。
仏壇の前やお墓の前で気持ちを静め、手を合わせること・お経を唱えることで少しずつ感謝の気持ちが芽生えることでしょう。
その3.心が癒される
先祖というのは遠い昔の人だけでなく、家族や親族も全ていつかは先祖になります。もし近しい人が亡くなっているのなら、先祖供養として仏壇の前でその人を想いながら手を合わせると生前の思い出に思いを馳せることができて、温かい気持ちになることでしょう。
仏壇やお墓の前に行くと亡くなった人を感じる事が出来ます。もし困ったことがあれば、手を合わせてみて下さい。気持ちが癒されたり落ち着くことが出来るでしょう。