日本には「祖先礼拝」という風習があります。そこから先祖の因縁や祟りがあるという風に言われるようになったようです。今回は「祖先礼拝」とはなにか・【先祖の祟り】で起こる現象とその実態・そして先祖の恩と因縁が生きている者に与える影響まで、スピリチュアリストの筆者が詳しく解説します。
ライター/こんどうまろ
スピリチュアリスト。タロットと数秘術を使い無料で占いをしていましたが今はお休み中。アロマやヒーリングの技術を取得後スピリチュアルの世界に魅了され勉強しています。
- 先祖が祟る?祖先崇拝とは
- 先祖に祟られていると思われる現象の実態
- 1.あなたの悪い行いの戒め
- 2.先祖供養が出来ていない為
- 神道・仏教による先祖の祟りについての教え3選
- 1.先祖は祟らない
- 2.祟りとは人の悪行に対する報い
- 3.先祖の恩と因縁
- 先祖が喜ぶ先祖供養とは
- 先祖供養で得られる恩恵4選
- その1.徳を積める
- その2.今ある幸せに気づくことが出来る
- その3.心が癒される
- その4.家族の絆を深めることが出来る
- 先祖供養で気を付ける事3選
- その1.悪質な勧誘や詐欺に騙されない
- その2.願い事をしない
- その3.祟りを恐れて供養しない
- 先祖の霊に祟られていると思った時は
- その1.先祖の気持ちになって考える
- その2.病院に行く
- その3.墓参りに行く(仏壇に手を合わせる)
- その4.リフレッシュする
- 祟りを招いているのは?
この記事の目次
先祖が祟る?祖先崇拝とは
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【祖先崇拝】という言葉を聞いたことはありますか?亡くなった祖先の霊を崇め祀る風習で、人が亡くなった後も霊魂は生き続け、生きている者の生活に影響を与えている又は与えることが出来るという考えのことです。
日本のほとんどのお家では死者が出ると法要(宗教によります)を行い供養します。地域によって差はありますが、33回忌(49回忌や50回忌のところもあります)を迎えると法要が打ち切りになり、「弔い上げ」と言って塔婆を立てたり位牌を寺に納めたり川に流し(地域によって異なります)弔い上げを終えるのです。そうすることで死者の霊は個性を無くし「先祖の霊」という単一の存在に統一されます。一般的に先祖というのはこの「弔い上げ」を終えた死者のことを言い、特定の誰かではありません。
起源は縄文時代からと言われており、今では日本全国で盆や彼岸の行事を行いますが、日本以外では中国や太平洋地域の限られた場所でしか見ることのできない信仰です。
先祖に祟られていると思われる現象の実態
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「ひょっとしたら先祖に祟られているのかも」と思う現象とはどんなことが想像できますか?本来血のつながった子供や孫は、無条件でかわいいもので守るべき存在だと思われていますが「自分たちへの恩を忘れた子孫は不幸になってしまえ」と、悪意を持つような先祖は本当に存在するのでしょうか?
それでは先祖に祟られていると思われる現象とその実態について解説していきます。
1.あなたの悪い行いの戒め
もし自分の子供や孫が悪い道に行きそうになっているのを見たら、あなたはどうしますか?きっと叱ったり止めようとしますよね。基本的に先祖の霊は守護霊にならない限り、生きている者の行動に対して何かすることはありません。「元気に頑張っているかな」と様子を見ることが多いのですが、あなたが間違った方向に進もうとしていたり悪いことに手を染めそうになっていたりすると、それを教える為または正すために何かしらのアプローチをしてくることがあります。
夢の中で悲しそうな顔で見ていたり、現実に先祖の姿を見ることもあるでしょう。亡くなった後も、たとえ実際には会ったことはなくても先祖は何代も後の孫がかわいい存在で心配したり応援してくれるのです。
2.先祖供養が出来ていない為
「先祖供養が出来ていない」から先祖が祟るのでしょうか?それは違います。先祖はたまに自分たちが居ることを思い出してほしいのです。仏壇やお墓参りをするだけでも十分伝わりますよ。手を合わせて先祖の為に祈ることで、感謝の気持ちは伝わります。
忙しくてなかなかお墓参りに行けない人もいると思いますが、そういう時は近くの同じ宗派のお寺に手を合わせるのもいいですし、その時間もない人は先祖のことを想い感謝するだけでも大丈夫です。
無条件でかわいいとは言ってもやはり思い出してくれると嬉しいですよね。何年もほったらかしにされると、先祖も寂しい気持ちになる時はあります。そういう時に何かしらの形で姿を見せることはあるでしょう。出来るだけ日頃から先祖に感謝をし、時間が出来たらお墓参りや仏壇に手を合わせるように心掛けて下さいね。
神道・仏教による先祖の祟りについての教え3選
日本ではほとんどの人が何かしらの神道・仏教に先祖供養を頼まれる方が多いのではないでしょうか?「先祖の祟り」について考えるなら、神道・仏教の教えを知ることが近道です。
では神道・仏教において「先祖の祟り」についての教えを詳しく解説していきます。
1.先祖は祟らない
神道・仏教とも「先祖は祟らない」とされています。亡くなった人はすぐに「神様」とはならず「仏様」になりますよね。人は亡くなって穢れを清める期間があり、穢れを清めている期間(仏様)は人の個性が残っているのです。その期間は家族や生前縁のあった人から祀られることで浄化と昇華が進み、期間が終わると同時に子孫の生活を見守る守護神・氏神様になるとされています。
そもそも「祖霊崇拝」は、ご先祖様の魂は常に私たちの身近で温かく見守っているというものです。何代も前の先祖が顔も合わせたことのない子孫を祟ることは含まれていません。
「先祖が祟る」という考えは昔、霊感商法の手口の一つで、「先祖が供養に満足していない」「今の不幸はに自分のせいではなく先祖のせい」と言い、高額の商品を売りつけたり宗教に入信させる時に使われていました。その考えが神道・仏教の考えのように間違って広まってしまっただけなのです。
2.祟りとは人の悪行に対する報い
そもそも「祟り」とは、神霊・死霊・精霊など超自然的存在が人間や社会に危害を加えたり自然界に災いをもたらす力のことを言います。もし本当になにかに祟られたら、人間では手の打ちようがありません。人が誰かに呪うのとは比較にならないような災いが降りかかります。
そしてよほど悪いことを重ねないと「祟られる」ことはありません。神社にお参りするときも作法を省略したり間違ったからといって祟られていませんよね。意図的に失礼をしたり雑に扱ったりしない限りは強い恨みを抱くことはないのです。