今回はこの扇の縁起にフォーカスしてスピリチュアリストの筆者が解説していきます。
ライター/myuza
九州出身、神奈川在住の男性です。 20年以上、スピリチュアル分野に関心を持ち、多くのスピリチュアリストの方々と交流をして、精神世界探訪をしております。 つたない経験ですが、人生に悩まれている方々の参考になるような情報をご提供させていただきたいと思っています。
扇の歴史
image by iStockphoto
扇と言えば、扇子のことを指していますが、私たちはこの扇についての歴史を意識することはあまりないかと思います。
扇の歴史を紐解いていくと、かなり古い時代まで遡っていくことが分かるのです。
1.室町時代に広がった扇
扇の歴史を調べてみると、平安時代の前期には普段使っているような形のものが存在していたとされています。その後、扇は室町時代に多くの人たちも使うようになっていったのです。
江戸時代になってくると能や茶道などの芸術の世界を通して大衆化していっただけでなく、宗教的な儀式でも使われるようになり、幅広い分野において爆発的に広がっていきました。
2.3つの種類がある扇子
扇子には大きく3つの種類があります。古くから存在している扇はヒノキの板を綴った檜扇(ひおうぎ)というものがありますが、板に美しい絵が施されたものもあり、宮中の儀式の中で使われてきたのです。
2つ目の扇は紙扇(かみせん)と呼ばれるもの。昔の古書に「扇は日本で作られ始めて、こうもりを見ながら作る。そのため扇の形はこうもりの羽に似ている。このことから扇を蝙蝠(かわほり)と言う」という意味の文書が残っています。ここで言う蝙蝠とは紙扇のことを指しており、現代で使われている扇の原型とされているのです。
3つ目は「絹扇(きぬせん)」と呼ばれる扇ですが、スペインで踊り子が使っている扇で絹を貼って、その上にカラフルな絵が描かれているもの。それらを総称して絹扇と呼んでいるのです。絹扇は檜扇・紙扇に比べて歴史が浅く後になって生まれてきました。
今では、絹扇も紙扇と同じように数多くの種類があり、最近では絹以外の生地も使われているものもあり、生地扇と言われているのです。
1.高貴な人が使っていたため
1つ目の理由は高貴な人が使っていたことが背景にあります。昔の日本で扇は地位のある高貴な人々の使うもの。一般の庶民は扇で自分をあおぐような生活ではなかったのです。そのため庶民からすると扇は憧れの的。ここから扇を持っていると高貴な人たちのように贅沢な暮らしができるようになると考えられるようになっていったわけです。
2.神様の奉納舞で使われていたため
2つ目は扇は神様に捧げる舞で神聖な物として使われていました。古来の日本ではお祭や季節の行事で神様に美しい舞を奉納して無病息災・五穀豊穣を祈願していたのですが、その時に使われる扇は優雅で美しい印象を覚えるものだったのです。
それ以降、扇そのものにも霊的な力が宿ると考えられるようになり、神様に祈りを捧げる道具として縁起のいいものとして認識されるようになっていきました。
3.呪術のゲン担ぎで使われていたため
3つ目は呪術のゲン担ぎという理由です。扇は呪術的な儀式の中でのゲン担ぎとしても使われていました。戦国武将も家臣の中に呪術が使える人材を登用していましたが、戦に勝てるように呪術を行なっていたのです。
その呪術で使われていたのが扇。戦に勝ちをもたらす神聖なものとして考えられるようになったわけですね。