仏教の世界では、人間が生きている間に悪い行いをすると地獄に堕ちていくと言われてきました。この考え方は古来から使わってきたものですが、その中で「阿鼻地獄(あびじごく)」というものがあることをご存知でしょうか?
死後、言葉では言い表すことができない程の苦しみを味わっていく地獄。今回の記事ではこのような阿鼻地獄についてスピリチュアリストの筆者が解説していきましょう。

ライター/myuza

九州出身、神奈川在住の男性です。 20年以上、スピリチュアル分野に関心を持ち、多くのスピリチュアリストの方々と交流をして、精神世界探訪をしております。 つたない経験ですが、人生に悩まれている方々の参考になるような情報をご提供させていただきたいと思っています。

阿鼻地獄ってどんなところ?

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阿鼻地獄のことを「阿鼻」というキーワードでネット検索してみると、色々と紹介されているのですが、どのようなところなのか知れば知る程恐ろしくなってきます。「死んでからこんな地獄には絶対行きたくない」と言わしめる程の苦しみが待っている地獄。一体どのようなところなのでしょうか?

1.地獄の中で最も苦しい地獄

別名「無間地獄(むけんじごく)」とも称される阿鼻地獄は、八熱地獄(八大地獄)の1つであり、現世で父母・阿羅漢を殺す・仏身より血を出させる・僧団の和合を破壊するなど「五逆罪」という最悪の大きな罪を犯した者が落ちて地獄の中で最も苦しみの激しいところとされる最悪の地獄なのです。阿鼻地獄に堕ちると絶え間ない苦痛を受け続けてそこから逃れることができないとされています。

2.阿鼻地獄の由来

阿鼻地獄の由来を見て行くと、どれだけ苦しい場所が理解できることでしょう。前述の通り、阿鼻地獄は無間地獄とも呼ばれていますが、地獄の中でも最も苦しい世界。無間地獄の「無間」とは、インドの言葉の阿鼻を中国語にしたもので「間が無い」と言うように、休む間もなく苦しみを受け続けるという地獄なのです。

3.真っ逆さまに落ちていく無間地獄

阿鼻地獄(無間地獄)に堕ちる人間は、死んでから2000年の間、たった1人で泣き騒ぎ立てながら真っ逆さまに堕ちていくとされています。そこでやっと阿鼻地獄に辿り着くのですが、高さ8万由旬(ゆじゅん/1由旬=約11.3km~14.5km前後)・8億kmの「無間の火城」と言われる七重の鉄の城に行くのです。この周りは7重もの鉄条網で囲まれており、さらにその周りには刀の林があり、四隅には体長40由旬・400kmの銅の番犬がいますが、牙の剣と歯が刀の山で舌は鉄の鞭、毛孔からは業火と臭い煙を噴き出して鋭い眼光で見張っているために「無間の火城」から抜け出すことはできません。

ここで永遠とも思える気の遠くなるような世界で責め苦を受けなければならないのです。

輪廻転生の中にある六道

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地獄の語る時には仏教の世界の生まれ変わり観である輪廻転生と、その中にある六道抜きでが語ることはできません。では、輪廻転生と六道とはどのようなものなのでしょうか?

1.輪廻転生とは?

仏教の教えでは「輪廻転生(りんねてんしょう)」というものがあります。この輪廻転生とは生まれ変わりを繰り返すことを意味しており、人が誰でもこの苦しい生まれ変わりの世界から抜け出すためには、仏の教えをきちんと守りながら善いことを努めていくことが求められているのです。

人は長い輪廻転生のサイクルの中で「これ以上の転生する必要がない」という精神的・肉体的に浄化された段階で初めて解脱の状態に達することができます。そして、仏となり永遠に現世とあの世で生き続けることができるとされているのです。そのために輪廻転生は「人間の己の魂を磨くための修行ステップ」と言って過言ではありません。

2.六道とは?

そして、生まれ変わりの世界の中で、人は現世における行いによって、6つの行き先に分かれていきます、これがいわゆる「六道(りくどう)」と呼ばれる世界。下位層から順に挙げていくと地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天上道となるのですが、この六道の1つ地獄であるわけです。

この六道世界においては、さまざまな鬼に生まれ変わる世界の餓鬼道ではジワリジワリと苦しみを受け続ける餓鬼道。この世で目的を達することができずに非業の死を遂げた人間や恨みを持ったまま死んだ人間が堕ちる畜生道。常に雷鳴が鳴り響き戦さが絶えない場所で非業の死を遂げては再び生まれ変わり長い間に戦さを続けては血を流し続けなくてはならない修羅道があります。

しかし、地獄はそれらの苦しみをさらに上回っているのです。

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